ひっそりと終焉を迎えた決済手段

ネッテラーといえば、オンラインカジノがまだまだ今ほど高い知名度を誇る前からオンラインカジノを「支えていた」送金サービスです。

一度ならず二度までも国内から撤退してしまった点を踏まえると、今後ネッテラーが日本人ユーザーの前に戻ってくることは考えにくいのですが、これまで果たした功績を考えると、国内でここまでオンラインカジノの人気が高まった理由の一つにネッテラーがあると言っても過言ではありません。

オンラインカジノの歴史は実は長い

オンラインカジノの歴史は実は長い
オンラインカジノは近年高い人気を集めていますが、契機となったのはスマートフォンの存在だとされています。
スマートフォンは様々な産業の構造を変えたとされていますが、オンラインカジノも例外ではありません。

それまでオンラインカジノといえば、PCで楽しむユーザーが圧倒的に多かったものです。
それもそのはず、いわゆる「ガラケー」と呼ばれている携帯電話では、PC用に作られたオンラインカジノを心置きなく楽しめるとは言えませんでした。

もちろん一応は用意されていたものの、ガラケーのスペックを考えると、どうしても「PCと同じオンラインカジノ」とはいきません。
その為、基本的にオンラインカジノはPCユーザーが楽しむコンテンツとして普及していました。

しかし、スマートフォンの登場により、オンラインカジノもスマートフォンから楽しめるようになりました。
スマートフォンのスペックはPCに匹敵するものです。
オンラインカジノに限らず、これまで「事実上パソコンからのみ楽しめるコンテンツ」が、スマートフォンで手元から手軽に楽しめるようになったことで、爆発的に普及するようになったサービスも珍しくありません。

PCから楽しんでいた時代の良きパートナー

時系列として考えると、ネッテラーはPCからオンラインカジノを楽しんでいた時代に、多くのオンラインカジノユーザーが活用していたであろう送金サービスです。

一つの現実として、当時はまだまだ送金サービスの選択肢が少なかった点が挙げられるのですが、オンラインカジノが一部ユーザーから注目を集めるようになると、「どうすれば日本人でも楽しめるのか」が模索されるようになります。

その際、頼れる存在としてネッテラーがクローズアップされるようになりました。
もちろんネッテラーも、決してオンラインカジノのためだけに生まれたサービスではなく、近年台頭しているエコペイズやアイウォレット同様、送金サービス業者として営業されており、オンラインカジノにも対応していたことから多くの日本人ユーザーから頼られるようになりました。

まだまだインターネットが「スマートフォンで手軽にアクセスできるもの」ではなく、「それなりのスキルを持った人間のみが接続できる世界」であった2000年代前半、オンラインカジノを楽しむ方法を模索したユーザーが頼ったのがネッテラーでした。

ネッテラーは2016年に撤退します

ネッテラーは２０１６年に撤退します

しかし、ネッテラーは2016年9月に日本国内市場から撤退してしまいました。
2016年といえば、既にスマートフォンも普及しており、オンラインカジノもスマートフォンから楽しむユーザーが増えたことで知名度も高まっていた時期でした。

当時も多くのオンラインカジノユーザーがネッテラーを頼っていましたし、オンラインカジノの楽しみ方を調べると、活用する送金サービスとしてネッテラーを挙げているコンテンツも多数ありました。

そんなネッテラーが日本市場から撤退した事情は多々ありますが、どれも推測の域を出ません。
というのも、日本市場撤退の際、ネッテラーが公式に理由をアナウンスすることはありませんでした。
一部ユーザーの問い合わせに対し、「もう営業しません」なる旨を答えただけであり、公式ホームページ等で全ユーザーに向けてアナウンスしたものではなく、いわば「ひっそりと」国内から撤退しました。

しかしながら、その後2018年に日本市場に一旦「復帰」しました。
その際は金融庁から認可を受けてのものでしたが、法整備・対策をしっかりしたことからオンラインカジノへの送金サービスには対応しませんでした。
それ故、かつてのネッテラーを知るオンラインカジノユーザーも利用するには至りませんでした。

結局は2020年2月、再度日本市場から撤退。
かつてのネッテラーを知るユーザーにとっては寂しい結末ではあります。
一方、既にネッテラーの存在を感じさせないアイウォレット、エコペイズなど便利な送金サービスが登場しています。
今はネッテラーの代わりに、エコペイズ等に登録すれば良いでしょう。